風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。 先月14日台湾で総統を選ぶ選挙が行われた。国民党の馬英九氏が再選された。台湾初の女性総統の誕生が期待された民進党の蔡英文氏だが、善戦したにもかかわらず敗れてしまった。他国台湾の総統選挙であり、日本ではあまり大きな話題とならなかったが、この選挙に異常な介入をした中国という国のことを考えると、単に他国の選挙と傍観者を決めている事態ではないことを強く感じる。今後の日本にも大きく影響する選挙結果であったと思うからだ。中国の強力なバックアップを受けた馬総統は日本に対する態度も当然中国寄りになるはず。不安が募る。 台湾の総統選挙は国民党と民進党という二つの政党による争いという基本構図に見えるが、台湾の歴史から見ると、もっと根深い大きな「二重構造の争い」がある。これを知らなければ、正確に台湾