もうお忘れかと思うが、新聞で大きく報じられた夫婦別姓訴訟。提訴が2011年2月だったから、四年十ヶ月もかけて争ったこの裁判で、夫婦別姓禁止を合憲とする判決を出した。 そもそも夫婦別姓を認めないのは、先進国の中で日本だけ。判決要旨で最高裁は「同姓だから家族であることを実感できる」などと述べたが、こんな屁理屈は日本以外の先進国ではとても通用しない。例えば、作家・歌手の八木啓代さんはツイッターで「スペイン語圏はみんな夫婦別姓ですが、家族の結束や絆は日本より強いです」と書いている。さすがメキシコにも拠点を持つ八木さんらしい報告だ。 日本政府は、国連女子差別撤廃委員会から別姓導入について再三勧告を受けている。委員会は「選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう締約国(日本)に要請する」(委員会最終見解2009年)。要するに別姓を認めないことを国際的に問題視され