政府は6月7日、「新しい資本主義」の実行計画改訂版案をまとめた。中小企業の賃上げや労働市場改革の推進に加え、重点分野に位置づけられたのが映画やアニメなどのコンテンツ産業だ。「日本発のコンテンツの海外売り上げは、我が国の鉄鋼産業の輸出額より大きく、半導体産業の輸出額に迫る規模」とし、官民協議会の新設、コンテンツの海外展開やクリエイターの待遇改善などを通じて国際競争力の強化を図る。 そんな日本経済の鍵を握るコンテンツ制作に、インディペンデントで挑むクリエイターたちがいる。エンタメコンテンツを制作するCHOCOLATEの栗林和明CCO、俳優業の傍らハリウッドでも映画製作に携わる齊藤工だ。 5月にフランスで開催されたカンヌ国際映画祭に参加した齊藤工は、衝撃を受けた。今年の公式ポスターに黒澤明監督の長崎の原爆をテーマにした映画『八月の狂詩曲』の一場面が採用されていたからだ。レッドカーペットが敷かれた