世にネコ好きは多けれど、ネコの研究者となると、意外なほど少ない。国内では飼いイヌより飼いネコのほうが多いにも関わらず、その生態はイヌほどに解明されていない。そんな謎多きネコを研究の対象と捉え、ファッション雑誌の編集者から研究者の道に進んだ異色の経歴の持ち主が、本稿でご紹介する服部円さんです。 現在は、京都大学野生動物研究センターに在籍し、ネコの行動や生理に関する研究をしながら、『文化と生物学』という新メディアを立ち上げた服部さん。ネコをきっかけにしたご自身の活動の変遷や、今後の取り組みについて、お聞きしました。 お話を聞いた人:服部円さん 編集者・大学院生。ズカンフ〜ザッシ『文化と生物学』編集長。武蔵野美術大学卒業後、ファッション誌の編集者をしながら2011年にWEBメディア「ilove.cat」を立ち上げる。2021年、麻布大学大学院獣医学研究科動物科学応用専攻博士前期課程修了。現在は京