あなたは自身の性や欲望と、またはいずれ訪れる死や災害に対して、どこまで考えたことがあるだろうか? ロンドンやボストンを経て国内外で活動の幅を広げてきた長谷川愛の国内初となる大規模個展「4th Annunciation」がTERRADA ART COMPLEXⅡで開催中だ。「受胎告知」をタイトルに掲げた展覧会において、長谷川愛が問いかける未来とは何か。 いまあなたが見ているもの、感じること、発見したこと、それらはすべてあなたの生き方に直結する。逆を言えば、何を見て、何を見ていないのか。何に気付き、何に気付けていないのか。人は見たいものしか信じないし、わからないことには不安と拒絶が生まれていく。 「人の生き方はその人の心の傾注(アテンション)がいかに形成され、また歪められてきたかの軌跡」であると語ったのはスーザン・ソンタグだが*、長谷川愛の作品を見ると、いつもこの言葉を思い出す。筆者が彼女初の