「これまでお会いしていないのが不思議なくらい、遠山さんとは似たところがあると感じていました」 「胡桃堂喫茶店」の一角で、店主の影山知明氏はそう穏やかに話しはじめた。マッキンゼー、投資ファンドを経て、東京・国分寺でカフェ「クルミドコーヒー」を始めた影山氏が構える、2つ目の店舗だ。 向かいに座るのは、スマイルズ代表取締役の遠山正道氏。「世の中の体温をあげる」という理念を掲げ「Soup Stock Tokyo」「The Chain Museum」などを展開する遠山氏も、影山氏の著書『ゆっくり、いそげ』(大和書房)には多くの点で共感したと打ち明ける。 事業内容や規模は違えど、スタッフや顧客の熱量を重視しながら、世の中に新しい提案をしてきた2人。「いたずらに規模を求めない」「非合理的な“想い”を大事にする」「人通りの多さで出店を決めない」といった共通する姿勢の裏には、2人にしかわからない葛藤と信念が