偽情報の脅威評価偽情報(いわゆるフェイクニュース)の社会への脅威を正確に評価するのは難しい。最近、権威ある科学誌Natureに「偽情報は民主主義にあなたが思うより大きな脅威をもたらす」という論説記事が掲載されたが、さっそく英サセックス大学の研究者ダン・ウィリアムズが「偽情報は民主主義にあなたが思うより小さな脅威しかもたらさない」というタイトルの反論を書いていた。どちらもこの種の議論の現状を理解する上で示唆に富む文章だと思う。 Natureの論説は著名な偽情報対策研究者らの連名によるもので、多くの国で選挙が行われる今年、偽情報が民主主義への脅威となる危険性が高いと指摘している。彼らは偽情報の脅威が過大評価されているという一部の主張を否定し、偽情報が脅威である証拠は十分にあり、対策は正当化されると主張する。有効な偽情報対策として、ファクトチェックや事前に正しい情報を広めて啓発する「心理的予防接