場の発明家・中村真広は、個人と企業、地球の循環をデザインする ツクルバ 共同創業者・中村真広が藤野の地に、「感謝経済でまわる集落」をつくるという。それは、「人間中心デザインから地球中心デザインへ」という昨今の潮流に大きな示唆を与えてくれる、壮大な設計図だった──。 2022.05.26 2月某日。取材陣が向かったのは、神奈川県藤野——東京都心から電車で1時間半、JR中央線の終点高尾駅からさらに2駅。山々に囲まれ、駅の前には数軒の小さな商店があるだけ。何の変哲もない、自然豊かな地方駅という印象だ。 しかしながら、この「都心に一番近い里山」は、第二次世界大戦中に藤田嗣治をはじめとする画家たちが疎開してきた場所である。藤野には「芸術のまち」としての空気感が醸成され、以降多くの芸術家やクリエイターたちが移り住んできた。 「場の発明」をテーマにプロダクトやサービスを生み出し続けてきたツクルバ 共同創