普段生活する中で直面するさまざまなルール。明確に表記された道路標識から、満員電車ではリュックを前に抱えるといった暗黙の慣習まで、社会はルールに形づくられ、私たちは日々その中で日常を過ごしている。当然従うべきものとして存在しているルールの中で、どのような遊びが現実的で、一体どのように遊べば楽しいのだろう? コグニティブデザイナー・菅俊一さんと、遊びについて綴られた名著『プレイ・マターズ 遊び心の哲学』の訳者である美学者・松永伸司さんに、「遊びとルールの関係性」について言葉を交わしてもらった。 (この記事は2023年7月20日(木)に発売された『XD MAGAZINE VOL.07』より転載しています) はみだす? ギリギリを攻める? 対談を始める前に、お二人の活動について補足したい。まず、菅俊一さんは、人間の知覚能力にもとづいた「コグニティブデザイン」を軸としながら、問題設計や新しい表現に取