2021年、電通は100%子会社の「ニューホライズンコレクティブ合同会社」を立ち上げました。個人事業主として独立した元電通社員たちを支援するものです。同社と業務委託契約を結んだメンバーは、電通を含むさまざまな企業から受託した業務を担当。完全フリーの独立とは違い、毎月一定額の報酬が入るため、お金のことを心配せず安心してやりたいことに挑戦できる仕組みです。クリエイティブディレクターの赤松隆一郎(あかまつりゅういちろう)さんは、この制度に参加した1人。「体のいいリストラでは」という一部の冷めた声を尻目に、「こんな素敵なリストラはない」と言い切ります。サントリー「GREEN DA・KA・RA」などメジャー企業の広告制作で存在感を発揮する赤松さんは、なぜ独立してニューホライズンコレクティブへの参加を決めたのか。そのキャリアをさかのぼると理由が見えてきました。 広告クリエイターになったのは偶然の積み重