「私は死神、世界の破壊者(I am become Death, the Destroyer of Worlds.)」 この不気味な言葉を残したロバート・オッペンハイマーは現在多くの人々から「原子爆弾を作った人」と認識されています。 しかし、なぜ「原爆の父」オッペンハイマーがマンハッタン計画のリーダーに抜擢されたのか、またどれほど優秀な物理学者だったのかは、あまり知られてはいません。 そこで今回は、オッペンハイマーの物理学者としての業績に焦点を当てたいと思います。
映画『オッペンハイマー』が公開されました。試写の時はさすがに内容に踏み込んだことを書くのは控えたのですが、無事公開もされたことですし、あらためて内容について書きたいと思います。 Prometheus Stole Fire from the Gods and Gave It to Man. For This, He Was Chained to a Rock and Tortured for Eternity.” 映画『オッペンハイマー』はこの引用から始まります。 「プロメテウスは神から火を盗んで人間に与え、そのために岩で鎖に繋がれ永遠の責苦を受けた」 はい。多くの評論家が「オッペンハイマーは現代のプロメテウスの物語だ」と書いています。ちなみに映画の原作と言われるピュリッツァー賞受賞のノンフィクション『オッペンハイマー』の原題は『AMERICAN PROMETHEUS』です。「オッペンハイマ
ニューズウィーク2024年4月10日(水)15時30分 ナディラ・ゴフ 1945年7月16日、ニューメキシコ州アラモゴードにあるトリニティ実験場で史上初の核実験が行われた JACK AEBYーCORBIS/GETTY IMAGES <ニューメキシコの核爆弾実験場の近隣には、先住民やメキシコからの移民が住んでいた。映画から抜け落ちた住民の被曝被害の実態に見えるアメリカの「誤った理想」> 今年のアカデミー賞で主要7部門を制した『オッペンハイマー』(クリストファー・ノーラン監督)が時代を超えて語り継がれる名作であることは、たぶん間違いない。その点に異論を唱えるつもりはない。 しかし批判すべき点はある。とりわけ、あの3時間の大作で語られなかった部分だ。例えば、広島や長崎で犠牲になった人たちのこと。 ああ、その話なら日本映画でたくさん語られているよ。そんな反論が(少なくともアメリカ国内では)返ってく
【解説・考察】ここを押さえれば物語がもっと“わかる” オッペンハイマーはなぜ苦しんだ? 聴聞会の目的は? あの人は誰? あのシーンの意味は? 2回、3回、4回と 観に行きたくなる、微ネタバレありの徹底解説第96回アカデミー賞で最多7部門を受賞した「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)。3月29日に日本公開され、大きな話題となっていますが、同時にSNSを中心にさまざまな評判が飛び交っています。 1度鑑賞し、もっと内容を理解したい、あのシーンの意味はなんだろう、などと思う人はとても多いはず(その証拠に、Google検索では「オッペンハイマー 解説」などとサジェストされますよね)で、筆者もその1人でした。 そこで今回の記事では、映画.com編集部が“映画「オッペンハイマー」が繰り返し観たくなる解説・考察”を書いていきます。本作は「2回目、3回目の鑑賞がさらに興味深くなる」作品でもあ
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