新型コロナで露呈する学生の「格差」問題 「大学の危機」をどう乗り越えるか、渦中からの訴え(上) 田中駿介 東京大学大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻 大学が、危機に瀕している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、今まで、多くの人が直視してこなかった学生の「格差」が、一気に露呈したのである。 「何もかも困ってる。特にバイトが全てなくなって貯金が5000円しかない」「家の中は騒がしく、演習形式のオンライン授業が出来ない。おそらく大学に行き、受ける事になる」「この時期に新たにアルバイトを探せるかどうかが不安である」(筆者が実施したアンケートより)。 文部科学省によれば、大学・短大・高専の約8割が、授業の開始を延期したという。筆者が通う慶應義塾大学を含め、キャンパスを封鎖する大学も出てきた。しかし、オンライン授業にうまく移行できるかというと、ここでも「経済格差」がそのまま「教育格差」となって