昨年12月、東京・渋谷のNHKのスタジオ。司会を務める特別番組「スポーツハイライト」の収録1時間前、CG撮影用のブルーバックで覆われたセットを見て、瞬時に、ゲストのアスリートたちのことを思った。「無機的な空間だから、緊張が増すかもしれない」。本番直前、選手たちに笑顔で声をかけ、表情をなごませた。 座る椅子の高さにまで目を配る。「人って足が地についていないと落ち着かないから」。相手のコンディションや体調も観察する。このこまやかさがゲストの生きた表情と言葉を引き出す。「そこは繊細でありたい」 テレビのレギュラー番組が6本、うち3本はタイトルに中居の名前が付く。年末年始特番のMC(司会進行)は9本。SMAPのリーダーとして、アイドルでMCを行う先駆けとして、30年近く芸能界の第一線で走り続けてきた。 * MCをこなす芸人やアイドルは多いが、番組を巧みに回しつつ、ゲストの言葉や感情を引き出すという