昨年12月、東京・渋谷のNHKのスタジオ。司会を務める特別番組「スポーツハイライト」の収録1時間前、CG撮影用のブルーバックで覆われたセットを見て、瞬時に、ゲストのアスリートたちのことを思った。「無機的な空間だから、緊張が増すかもしれない」。本番直前、選手たちに笑顔で声をかけ、表情をなごませた。 座る椅子の高さにまで目を配る。「人って足が地についていないと落ち着かないから」。相手のコンディションや体調も観察する。このこまやかさがゲストの生きた表情と言葉を引き出す。「そこは繊細でありたい」 テレビのレギュラー番組が6本、うち3本はタイトルに中居の名前が付く。年末年始特番のMC(司会進行)は9本。SMAPのリーダーとして、アイドルでMCを行う先駆けとして、30年近く芸能界の第一線で走り続けてきた。 * MCをこなす芸人やアイドルは多いが、番組を巧みに回しつつ、ゲストの言葉や感情を引き出すという
――アイドルで司会もこなす先駆者ですね。 よくパイオニアとか言ってくださるけれど、その意識はまったくないですね。芸能の世界は実力と評価は比例していない。努力が結果につながるとも限らない。僕は運がよかっただけです。芸人さんには歯が立たない。その世界はスポーツのそれに近い厳しさがある。本当に面白い人だけが生き残れる世界ですから。 ――「MCをする時は感情を安定させていたい」と言っています。 喜怒哀楽を出さないとか感情を押し殺すとかの意味じゃなく、つねに相手の気持ちを受け入れたり、相手の言葉を引き出したりできるということですね。ずっと心がけてきたことです。 自分の得意な相手や相性のいい人をつくると、その逆の苦手な人も出来てしまう。そういう感情を持たないことで苦手な人もなくせると考えたんです。でも私情を挟まないというのは大変な作業でした。 自分がどう思われるかは気になりません。評価を求めて、優しく
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