脂への探究心が強いことでおなじみのココロ社です。 われわれがおいしいとんかつに出会ったとき口にするフレーズの中央値はおそらく、「衣がサクサクしていて、肉は厚みがあるのに軟らかく、噛むごとに肉汁があふれてくる。脂の甘みもたまらない!」……などになるだろう。 ここで、もし、この文でいちばん大事なところに線を引きなさいという問題が出たら、あなたはどこに線を引くだろうか。わたしの場合、恥を忍んで告白すると、「脂の甘みもたまらない!」に線を引くだろうし、もしかしたら「脂の甘みが最高。ちなみに肉は柔らかくてジューシー」などと口走り、肉は脂の引きたて役であるとの認識を露わにしてしまうかもしれない。 この記事を、脂が好きだけれども「何よりも脂が好き」と素直に言えない同志に贈りたいと思う。 味も味以外も濃い街として知られる秋葉原。今回の舞台は、そこから一駅の浅草橋駅のすぐそばにある、「とんかつ藤芳 駅前店」