【記者:Helena Horton】 英国の犯罪史上永遠のミステリーの一つは、連続殺人犯「切り裂きジャック(Jack the Ripper)」の正体がいまだに判明していないことだ。だが、売春婦と考えられている被害者女性らについては、さらに知られていることが少ない。それは、世の中の多くの人が、犯人のジャックの方ばかりに気をとられてきたからだ。 切り裂きジャックによって1888年に殺害された女性たちの生涯に光を当てるため、歴史家のハリー・ルーベンホールド(Hallie Rubenhold)博士は、公文書をあたった。すると、カフェで働いていた女性や、英皇太子の友人と同居していた女性の存在が浮かび上がってきた。 博士は、被害者の女性たちの物語を消し去ったとして、当時の警察官や研究者らを「性差別主義者」だと非難する。 切り裂きジャックの被害者女性らに関する包括的な歴史について執筆しているルーベンホー