【パリ=飯竹恒一】中国・清朝時代に北京の庭園「円明園」から海外に持ち出された銅像の一部の競売に中国側が反発している問題で、仏デザイナーの故イブ・サンローラン氏とともに銅像を所有してきたピエール・ベルジェ氏(78)は20日、「中国が人権を認知するなら、中国側に返還してもよい」と述べた。 仏ラジオで語った。ベルジェ氏は天安門事件後に中国の反体制派をパリでかくまう活動にかかわったこともある。同氏は「中国側が考えるように贈り物のように返還するつもりはない」とも述べた。 一方、競売中止と返還を求めてきた中国側の弁護士らは20日、パリの裁判所に競売中止を求める処分を申し立てたことを明らかにした。AFP通信によると、ベルジェ氏らが所有してきた700点余の所蔵品の競売が3日間の日程で始まる23日に、裁判所の判断が出る予定だ。