1952年、ユネスコが世界の人種問題に関する小冊子のシリーズを刊行する。その1冊としてレヴィ=ストロースが書いた、初期の論文。西洋文化の位置付け、歴史的時間の偶然的性格を、専門領域を超えて議論し、明晰かつ的確な言葉でその問題意識を伝える。その視野の拡がりは、個々の文明を相対化する力を持ち、21世紀を生きるわれわれにも強く訴えかけてくる。 [初版1970年2月20日発行] まえがき 1 人種と文化 2 諸文化の差異 3 民族中心主義 4 古文化と原始文化 5 進歩の観念 6 停滞的歴史と累積的歴史 7 西洋文明の位置 8 偶然と文明 9 諸文化の協働 10 進歩の二重の方向 クロード・レヴィ=ストロースの業績 ジャン・プイヨン 訳者あとがき 1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935-38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究