さてそのUASPの目的であるが、基本的には転送オーバーヘッドの軽減である。USB 2.0までで使われてきたMass Storage Class Deviceでは、BOT(Bulk Only Transport)が利用されてきた。このプロトコルは非常に簡単で、基本的にはSingle Threadedである。つまりHostがTransferを開始し、これを受け取ったDeviceがTransferを終了する。そして、そのTransfer終了の状態通知がHost側に伝わるまで、次のTransferは開始されない。 これは単純明快なプロトコルであるが、それゆえオーバーヘッドも大きい(概ね20%)。USB 2.0の場合、最大で480Mbps(=60MB/sec)の理論上の転送速度が得られるが、理論値に近い状態で駆動しても、12MB/sec分はプロトコルオーバーヘッドになり、実質的な転送速度は50MB/