トラブル報告、価格交渉、歓送迎会のスピーチ……。オフィスや取引先、接待の場で成功するための話し方を達人に聞いた。 “漢字”を減らし“ひらがな”を多用する 「まず、基本に立ち返りましょう。人はなぜ『話す』のですか?」 西任暁子さんがそういって、にっこりと微笑んだ。質問のテーマは組織内の意思伝達。正式には文書による指示や報告が必要であるにしろ、スムーズに意思を伝えるには、対面して「話す」というプロセスが大事である。そのとき、私たちは何に気をつけるべきか。スピーチトレーナーの西任さんに尋ねたところ、冒頭のような問いが返ってきた。 「伝えたいから、ですよね」 「そうです。自分が何か思っていること、感じていること、考えていることを伝えたいから話すのです。それには相手が『聞き取れる』こと、『意味がわかる』ことが重要です」 西任さんが推奨するのは「ひらがなで話す」ということだ。まずは音が重ならないように