【ジュネーブ澤田克己、関東晋慈、下桐実雅子】世界保健機関(WHO)は27日、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備える警戒レベルを「フェーズ4」に引き上げたものの、一部でうわさされた「5」への引き上げは見送った。また、渡航制限への反対姿勢を明確にし、通常のインフルエンザワクチン生産の継続を各国に勧告するなど、国際社会に与える影響の大きさに配慮した跡が見受けられた。 【関連記事】豚インフル:WHOが警戒レベル「フェーズ4」に引き上げ この日の緊急委員会終了後に会見したケイジ・フクダWHO事務局長補代理は「純粋に技術的観点からの議論でフェーズ引き上げが決められた」と強調。同時に「引き上げによる政治的、経済的な影響を強く認識していた」と認め、経済への悪影響を懸念する加盟国の立場を無視できないWHOの苦しい立場をうかがわせた。 WHOの判断について、押谷仁・東北大教授(ウイル