爆発や火災が相次ぐ福島第一原子力発電所で17日午前、自衛隊ヘリが上空から実施した冷却水の投下は、防衛省内部からも強い懸念の声が上がる中での任務だった。 北沢防衛相は、3号機への海水投下後の午前11時過ぎ、防衛省内で記者会見を開き、「(3号機の状態は)今日が限度だと判断し、投下を実施した」と述べた。「(冷却水は)間違いなくかかった。我々の決行したミッションが成功に帰したと今の段階では期待している」とも語った。 出動したのは、陸自第一ヘリ団(千葉県木更津市)に所属するヘリ。乗組員は防護服と防護マスクを着用し、機内には下方からの放射線を低減するためタングステン製のシートを床に敷いた。放射線量を計測する機器も載せ、数値を確認しながら投下を実施した。 自衛隊ヘリによる同様の作業は山火事の消火活動でも実績があるが、広い面積に水をまくのと違い、今回はピンポイントで3号機のプールに命中させなければならない