これまで女性が当たり前――と思われてきた学校の「保健室の先生」(養護教諭)に、男性が就くケースが少しずつ増え始めている。 文部科学省の調査では、今年は過去最多の35人に。悩みの多い思春期、保健室で心と体を癒やしたいのは女子ばかりでなく男子も同じ。全体から見ればまだ超少数派の「男の保健の先生」たちだが、「同性だと体の悩みも話しやすい」と男子に好評なだけでなく、女子からも「女の先生に言いにくいことも相談できる」との声もあがっている。 埼玉県狭山市の県立狭山緑陽高校の保健室。休み時間に顔を出す生徒たちを、養護教諭の吉田聡さん(26)が和やかに迎える。 「先生、最近明け方に目が覚めちゃうんだよ」とつぶやく男子生徒に、「眠りには浅い時間帯と深い時間帯があるから、朝方ならそんなに気にする必要ないよ」と笑顔で励ます吉田さん。発熱や腹痛などを訴えて保健室を訪れる生徒たちに、朝ごはんを食べたか、親や友人との