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ブックマーク / ameblo.jp/monex-oki (7)

  • 松本大『アメリカの金利』

    アメリカの景気はどうなるでしょうか?実際に街で見る限りは、今のところさほど景気が悪化しているようには見えません。しかし私が見ているのはニューヨークの中心地です。上澄み中の上澄みであり、ピラミッドに例えれば、てっぺんのホンの一角に過ぎません。しかも今は、景気が悪くなるとすれば、その出だしのホンの数日目に過ぎないのです。全体の景気は、これから悪化していくと考えるべきでしょう。 日ではバブル崩壊後、数年に亘ってお金の巡りが悪くなり、デフレが起きました。しかし日に於いては個人の貯蓄が大きくあったので、そんな中でも貯蓄を取り崩しながら暮らしていくことが可能で、その場合はデフレ、即ちモノの値段が安くなることはいいことだ、などど云う主張もあるくらいでした。一方アメリカに於いては、個人の貯蓄は平均で月給の2ヶ月分しかないと云われています。人々はお金を借りながらモノを買う、と云うことに慣れきっています。

    松本大『アメリカの金利』
  • 松本大『変革』

    この数日の動きは、まさに目まぐるしいものです。今から一営業日前、即ち金曜日、私は北京にいました。(当社の親会社である)マネックスグループの取締役会を、北京と東京に分かれ、北京から開くためです。もちろん他にも多くの様々な重要な仕事が北京にはあったのですが、それから週末を含めて3日、営業日ベースでは1日しか経っていません。その間に何が起きたか。 米政府が巨額(約75兆円)の公的資金を使って金融機関の不良債権を買い取る案を議会に提出し、それでも足りずに全米いや世界第1位と第2位の証券会社と目されるゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの銀行持株会社化を認可しました。アメリカ型の透明な、市場に任せる形の金融秩序がアッと云う間に崩れ、更には世界の金融ビジネスの頂点に君臨していた2社が、その根的なビジネス・モデルの変換を余儀なくされた。これらの出来事が、1営業日の間に起きている。 私が心の底か

    松本大『変革』
  • 松本大『大と小』

    神は細部に宿る、とも、悪魔は細部に宿る、とも云います。いずれにしろディテールは重要です。昨日のAIGに対する9兆円ローンと云う支援策、残念ながらマーケットは好感せず、更に大きく売られることになりました。納税者に対する説明のバランスを考える中で、政府がAIGの超大株主になること-それは即ち既存株主にとっての大幅なダイリューション(希薄化)を意味する訳ですが-と、今後AIGの資産を売却してローンの返済に充てさせること、この2つを併記した訳ですが、それが過多だったのかも知れません。どちらの条件も付けなければ納税者に説明が出来ない、しかし片一方だけでも良かったかも知れない。両方付けたことが、ダイリューション→株価低下と云う連想と、資産売却→更なる資産価格低下と云う連想を、ダブルで想起させ、一気に売られていったのでしょうか。或いはそんなことは関係なく、いずれにしろ売られたのかも知れません。但し、ほん

    松本大『大と小』
  • 松本大『公的資金』

    公的資金の投入をするかしないか。それを分かつものは何か。これはとても重要なテーマです。かつて日に於いても、長い間、何度も何度も議論されてきました。公的資金、即ち税金を投入するか否かには、多くの論点がありますが、今回は「富のトランスファー」と云う観点に注目してみたいと思います。 倒産すべき会社に公的資金を投入してその倒産を防ぐ時、その会社の株主、債権者、取引先、社員等が被るであったろう損害が回避もしくは軽減される一方で、納税者全員の財産がその分、毀損されます。即ち、納税者から、当該会社の広義の関係者に対して、富のトランスファーが起こる訳です。 従来日は社会主義的色彩が強い国の所為か、このような富のトランスファーは、向きの如何に関わらず(と云うことは時と場合によってしっちゃかめっちゃかであるのですが)、起こり勝ちで、アメリカは自由資主義的色彩がとても強いので、斯様な富のトランスファーは起

    松本大『公的資金』
  • 松本大『混乱』

    金融市場が混乱しています。この週末のアメリカでの動きは、今までの常識の域を逸脱するものでした。その展開の速さ、大きさ、意外さ。全てに於いて、今迄とは違う、新しい領域での話のように思えます。週末の間、特に昨日は、様々な情報収集を行いました。未だ未だ私が知らないこと、見えてないこと、誤解していることも、多くあるでしょう。いずれ全ては明らかにされていきます。 今回のことは、初めてのことが多かったのですが、一方でそれを観察し、必要な対応を取る側に於いては、動揺は少なかったように感じます。少なくとも私の中では、動揺は全くと云っていいほどありませんでした。直接の当事者でないから当然と云ってしまえばそれまでですが、いい意味でも悪い意味でも、金融に関しては様々な多くの経験を積んできたのでしょう。動揺するよりも、次に何をすべきかとか、何を考えるべきかが気になります。 翻って考えるに、私たちが個人投資家の皆様

    松本大『混乱』
  • 松本大『地球上のお金』

    世界のお金の流れが変化しています。原油消費国から産油国へのお金の移動は、1バレル当たり35ドルの時代で年間50兆円と云われていましたから、1バレル140ドルまで高騰した時点では、年間ベースでなんと200兆円ものお金が移動していたことになります。 これがどのくらい大きな数字か。日の個人金融資産は1500兆円と云われています。アメリカのそれは、その3倍程度。日米併せた金融資産が約6000兆円ですから、世界全体の金融資産はその2倍ちょっとでしょうか。まぁザックリ云って、1京円を或る程度上回る程度でしょう。随分大雑把ですが、その上下50%ずつの範囲にはきっと入っていると思われます。 200兆円と云うのは、1京円の2%です。年間で、毎年、世界の金融資産の2%が、産油国にシフトしていく。これは恐ろしく巨大な流れです。そしてこの巨大なお金の移動の次に、そのお金がどう動くのか。それが注目すべきポイントで

    松本大『地球上のお金』
  • 松本大『食費』

    以前に、人は何にお金を使うのか?に関するつぶやきを書いたことがありますが、今日、興味深いグラフを見ました。OECDによる、世界各国に於ける消費者物価指数に占めるべ物(food:べ物と云うよりは料の方が近いかも知れません)の比率(英語の資料です)、と云うものです。 比率の低い順に、アメリカ、EU、イギリス(ここまでが凡そ10%以下)、オーストラリア、韓国(これらは凡そ15%)、(ここから20%を超えて)ブラジル、メキシコ、シンガポール、台湾、ポーランド、南アフリカ、日、香港、インド、チリ、トルコ、コロンビア、(ここからは30%を超えて)アルゼンチン、マレーシア、中国、タイ、ロシア(凡そ40%)、インドネシア、フィリピン(凡そ50%)となります。 ザックリ云って豊かさと反比例な訳ですが、その文脈の中で、何故か日だけ突出して高くなっています。これにはビックリしました。 理由は2つほど考

    松本大『食費』
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