人事院は、東京・霞が関の中央官庁に勤務する国家公務員が連日深夜に及ぶ超過勤務を強いられている現状を踏まえ、これまで「月30時間」としていた超勤の上限指針を見直す方針を固めた。実態を考慮して上限を倍の「月60時間、年間720時間」とし、各省庁の意見も聞いて今年度中に通知する方針だ。 中央官庁では、特に国会での与野党議員の質問内容把握や閣僚の答弁づくり、予算編成作業などで深夜に及ぶ勤務が常態化。繁忙期には超勤時間が月200時間を超えることも珍しくない。このため、タクシーでの帰宅が続き、一部職員がなじみの運転手から缶ビールなどの提供を受けていた「居酒屋タクシー」問題も発覚した。 そこで人事院は、超勤の上限を勤務実態に合わせて引き上げる必要があると判断。一方で、過労死のリスクは超勤時間が「月100時間以上」で一気に高まると一般的に言われていることから、超勤の上限を「月60時間」に設定する方向で