大阪大と企業の共同研究を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同大大学院教授の倉本洋容疑者(57)の妻が代表を務める法人と容疑者本人の二つの口座には、贈賄側の建設会社2社から、賄賂とみられる約210万円以外にも多額の研究費用が振り込まれていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。だが、入金された研究費の大半は研究に使われず、実際には大学から支出される公費などで賄われていたという。府警は倉本容疑者が両社から支出された研究費を不法に取得したとみて捜査している。 捜査関係者によると、倉本容疑者は2013年度以降、贈賄側の「東亜建設工業」主任研究員の樋渡(ひわたし)健(43)と「飛島建設」担当部長の久保田雅春(57)の両容疑者と、耐震技術の共同研究を大学に無断で進めている。 本来は大学側と企業が共同研究契約を結び、原則的に企業側が研究費用を大学事務局に納める決まりになっている。だが、大学に