1979年から1982年まで、筆者はファーストアルバムを除く全ての「ガンダム音楽」のアルバムに何らかの形で関わった。作曲の渡辺岳夫、松山祐士にとっても、代表作と言える仕事だったに違いない。ここでは収録や構成に立ち会った現場感覚を交えながら「ガンダム音楽の歴史」が「アニメ音楽の変革」と同期した歴史について語ってみたい。 この4月、「1979年の奇跡 ガンダム、YMO、村上春樹」 (南信長著/文春新書) という本が出た。YMOがシンセサイザー主体のテクノ音楽を一般化させ、それをSONYのウォークマンで聞き、ゲームセンターや喫茶店では爆発的ブームを呼んだタイトーのスペースインベーダー(1978年発売)で遊ぶ。そうしたアイテムの共通項は「電子革命」である。LSI技術の急発達でロジック回路が高集積化し、ブレイクスルーを起こす。それがコストダウンにつながってカジュアル化したのだ。集英社の「ヤングジャン