以下の文章は2022年7月22日付琉球新報に掲載されたものである。 安倍晋三元首相の銃撃・殺害事件をめぐる報道が続いている。逮捕された山上徹也容疑者の犯行動機も報じられており、本人の供述や手紙、親族の証言などから、旧統一教会に対して、家族や自分の人生を台無しにされたことへの恨みがあったことが明らかになっている。 私が学生時代を過ごした1980年代前半、統一教会(世界基督教統一神霊協会)は活発に活動していた。全国の大学では原理研究会という団体が、サークル活動を装って信者の勧誘を行い、問題となっていた。琉球大学にも熱心な学生信者が1人いたのを憶えている。 国際通りでは、若い信者たちがアンケート調査を口実に通行人に声をかけ、通り沿いのビルの3・4階にある部屋に誘い、勧誘活動を行っていた。悩みを抱えている人や孤独に苦しむ人の中には、親切に話を聞いてくれると勘違いし、統一教会のセミナーに通って入信し