老教授 米国の大学院でドラッカーの教え子として直接指導を受け、その後長くドラッカーの同僚でもあった日本人老教授。専門は組織マネジメント論と組織イノベーション論。数年前に定年退職し、静かに日本で暮らしている。執筆の傍ら若き経営者やマネジャーを自宅に招き、相談に乗っている。対話を通じてドラッカーのマネジメント理論を分かりやすく教え諭し、マネジャー本人に気づきを与えるスタイルが、多くの経営者の間で密かに支持されている。 悩めるマネジャー 大手企業の40歳代管理職。将来を嘱望され、トントン拍子で昇進してきたが、突如300名規模の地域事業本部の責任者に任命される。都会の洗練されたオフィス環境から一転、地方の事業所を拠点に、組織の舵取りをする中で、部下とのコミュニケーションやトラブルの対応、社内で発生する様々な問題に日々頭を悩ませている。ドラッカーのマネジメント論に関心はあったものの、じっくりと書籍を
経済財政諮問会議は「選択する未来委員会」を立ち上げて、長期的な経済社会の在り方を検討してきたが、本年5月にその中間とりまとめが発表された。その内容についてはいろいろ議論はあるだろうが、第一線の専門家が集まってその意見を集約しただけあって、興味深い問題がたくさん含まれていることは間違いない。また、この報告に添付されている参考図表も、考えさせられるものがたくさんあって勉強になる。私は、「日本経済論」の授業で、この2つの資料を使って、これからの日本の経済社会の長期的な行方を考える3コマの授業を行ったほどだ。 さてこの中間とりまとめで注目されたのが「人口規模を1億人に維持することを目指す」という目標が提案されたことだ。今回はこの人口1億人目標について考えてみたい。 人口1億人目標の意義 最初に、今回の中間とりまとめの位置づけを整理しておこう。中間とりまとめを行った「選択する未来委員会」は、経済財政
小平 和良 日経ビジネス上海支局長 大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。 この著者の記事を見る
毎年この時期になると、「今年の目標」をネットで書く人が目立ちます。かれこれ10年ほど、世間の人たちが毎年「今年の目標」でどんなことを書いているのかを個人的に意識して見てきました。ある種の定点観測です。 そこに述べられているのは、いわば「人の悩みの裏返し」なのですが、実際には年ごとにそれほど大きな傾向の差があるわけでもありません。定番テーマはやはり健康・人間関係・仕事・お金といったところ。 しかし今年は、私自身、今回紹介するストーリーに触れ、この「今年の目標」に対する見方がすっかり変わってしまいました。 今回はそんな話をいつものように動画を交えつつ、紹介したいと思います。ネット動画はアイデアの宝庫、今週もいってみましょう。 来年もあるのが無意識の前提 冒頭に紹介しましたが、年明けにネットで「今年の目標」を書いている人が多いことに気づいて以来、ここ10年ほど、毎年「世の中の人」がどんな目標を掲
「希望をつくることができた」 「希望を持つことができた」 「希望の明かりが灯った」 あちらこちらで踊る“希望”の文字。 「15万人の雇用を創出」 「3兆円の経済効果」(東京都試算) 「95兆円の経済効果、国土強靱化計画も進めば総額150兆円」(大和証券) 「0.5ポイントアップのGDP成長で、4兆2000億円」 様々なところが算出する“数字”のオンパレード。 東京での開催が決まった五輪が行われる7年後の2020年、私たちはどうなっているのか? 私たちは何をしているのだろうか? はたまたニッポンはどうなっているのか? そんなあんなで今回は、「7年後の希望」について、考えてみようと思う。 朗報のはずなのになぜかザラつく気持ち とテーマを設定してはみたものの、どうもうまく書ける自信がいつも以上にない。なぜなら、私は今の空気に、少々戸惑っているからだ。 つまり、この原稿は「よし、希望がわいたぞ!
皆さんは、「統合されたマーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication=IMC)」という言葉を聞いたことはありますか。IMCとは、消費者とブランドや企業とのすべての接点をメッセージ伝達のチャネルと考え、ターゲットとなる消費者の購買行動に直接影響を与えることを目的とし、あらゆる手法を駆使して説得力あるコミュニケーションを実践するマーケティングプロセスです。 ビジョンをつくり、戦略を立て、その戦略を実行に移し目標を達成するためにリーダーシップを発揮することが僕たち経営トップの役割ですが、実は、社員がそれを理解し、同じゴールに向かって一丸となって突き進んでくれなければどんなに素晴らしい目標もビジョンも戦略も「絵に描いた餅」で終わってしまいますよね。そこで重要なのは、社員をインスパイアし、社員の心にやる気の火をつけるための取り組み、それがまさに
前回に続いて今回も取り上げるのは―― リタ・マグレイス 「知的失敗」の戦略 (ハーバードビジネスレビュー2011年4月号、邦訳ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー、2011年7月号) ポール・シューメーカー&ロバート・ガンサー 「意図した失敗」のすすめ (ハーバードビジネスレビュー2006年6月号、邦訳ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー、2007年4月号) 「知的失敗」よりさらに進んで「意図した失敗のすすめ」を説くのがシューメーカーとガンサーです。ただ、前回のリタの「知的失敗」のところでもそうですが1つ注意しておかなくてはならない点があります。「失敗が許される領域と、許されない領域を決めておく」ことです。例えば、UPS(米国のヤマト運輸と思ってください)の場合「失敗しても、顧客には絶対に影響が及ばないようにする」ことがこの境界線になっているといわれます。 さて、それでは、なぜわざわざ
頭では分かっていても、心が言うことを聞かないことがある。特に自分の“権威”とか、“立場”とか、自己評価を守りたいがために、「おいおい、それっておかしくないかい?」というような行動を取ってしまう危険性は、よほど心に余裕があるか、心の強い人でない限り、誰にでもあるはずだ。 役職定年という制度は、そんな人間の心に潜む、ブラックな部分を刺激しかねない制度なんじゃないだろうか。 役職定年制は、慣行による運用含め48%の企業が導入している(出所:厚生労働省「「平成21年賃金事情等総合調査(退職金、年金及び定年制事情調査)」)。改めて述べるまでもなく、取り入れている企業の多くは、組織の新陳代謝、人件費の増加の抑制などを目的とする。 また、今年度から改正高年齢者雇用安定法が施行されたこと。さらには、公益財団法人日本生産性本部が2012年11月に行った調査で、「仕事と賃金がミスマッチしている年齢層は、50歳
6月の株主総会で取締役を退任したコマツの坂根正弘相談役。2001年に存亡の危機にあったコマツの社長に就任すると、山積する経営課題に敢然と立ち向かい、コマツを世界に冠たるグローバル企業に生まれ変わらせました。 その経営改革の本質は現状の正確な把握にあります。絡み合った問題を解きほぐし、問題点を見抜く。そのうえで、必要な改革は躊躇なく断行する。「見える化」と「リーダーシップ」こそ、坂根氏の真骨頂だったと言えるでしょう。 この7月に、坂根氏は自身の経営手法をまとめた『「経営」が見える魔法のメガネ』を上梓しました。その出版記念講演が7月26日に目黒雅叙園で開催されました。その一部をここに公開いたします。日本企業が抱える構造的な要因は何か、50年、100年先の世界はどうなっているのか、その中で日本は何をすべきなのか――。日本が世界に誇る経営者、坂根相談役の言葉に何かを感じていただければ幸いです。 今
日本人らしい、地に足の付いたリーダーシップで、会社を成長発展させている経営者には、何か共通点があるのではないか――。「現場力」の重要性を唱え、企業戦略やマネジメントに精通する遠藤功・早稲田大学ビジネススクール教授(ローランドベルガー会長)が、いま注目の日本人リーダーに迫る。 対談の1人目は、良品計画の金井政明社長。「無印良品(MUJI)」を展開する同社はこのところ好業績を続け、前期は最高益を更新した。中国などへの海外展開も加速中だ。 遠藤:経営者のリーダーシップというと、ジャック・ウェルチはこうしたとか、スティーブ・ジョブズはこうだったとか、海外のリーダーが借り物として入ってくるばかりです。そういう事例も参考になりますが、本当に日本人に合うリーダー像かというと、今ひとつピンとこない。 あるいは、日本で名前が挙がるリーダーというと、孫正義さんとか、柳井正さんとか、だいたい決まっている。彼らは
「仕事の英語はそこそこできますが、カクテルパーティーやディナーでの会話となると困ってしまいます」 日本人の同僚や一緒に仕事をするパートナー企業の日本人から、こうした悩みをよく聞きました。確かにアフターファイブの会話は結構大変です。ある意味、仕事の会話より難しく、もっと勉強が必要になります。 仕事相手から「来い」と言われてカクテルパーティーに参加しました。昼間の仕事の時に比べ、2倍の速度で話しているように聞こえます。突然みんなが笑い出したので、自分もにやりとしたものの、意味は全く分かっていません。とまどっているところに、初対面の人がやって来て、いきなり話しかけてきましたが、何を言われたのか聞き取れません。 以上のような経験をして、閉口した、参ったという読者もいるかもしれません。昼間の仕事では、専門用語を理解しておけば、なんとか意思疎通ができますし、日本人が相手となれば先方も多少気を使ってある
英米では逆境がエリートを養成する 外資系の金融企業では、「いつクビになるかわからない」という覚悟がなければやっていけません。その時がいつ来てもいいように、定期券を買わないで、回数券で通勤している人が結構います。それでも、日本にある関連会社はまだいい方。英米にある本社の雇用環境はさらに厳しいものです。 米国の会社に入社した初日、ぼくにあてがわれたのは大きなひとり部屋でした。その部屋が前日まで別の人の部屋だったことはすぐにわかりました。朝から何人もの社員が「トニー?」とやってきたからです。ぼくが「今日からここはぼくの部屋だと告げられました」と言うと、皆そそくさと立ち去っていきました。社内の誰もがこの時点まで解雇のことを知らなかったのです。 机の上には白い封筒が置いてあり、 Mr. Tony Raymond とタイプされていました。解雇の通知でしょう。ぼくは人事部からの呼び出しを受けたのですぐに
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