渡米 メールでやってきた唐突な仕事のオファーに応えて、渡米を決意した。どうしてそう決めたのかと言われれば、口うるさい母親が昔からアメリカに行けアメリカに行けと煩かった事だとか、給料がよかったからとか、ソフトウェア技術者にとっていかにシリコンバレーが特別であるかとか、それらしい理由もないではない。でも、実際には入念な検討は何もなかった。面白そうだからやってみようと思っただけだ。それで良かったと思っている。若さというのは、無知で無謀なものだ。でも、そのおかげで人生が思わず開けたりするのが、面白いところだ。 その決断の結果、僕の人生は一変した。これを機に、付き合っていた女性と結婚する事に決めた。2001.1.1という日付も縁起が良さそうではないか。誰もいない区役所に婚姻届を出し、近所のコンビニで肉まんを買って食べて結婚を祝い、数日後の飛行機に乗って、冬とは思えぬまばゆい陽光につつまれたサンフラン