既存の図書や資料をデジタル化すればそれで電子図書館が実現するかといえばそうではない.あるべき姿はデジタル化された情報を縦横に使いこなし,まったく新しい知的空間を創造するための図書館である.そのために何が必要かを説く本書の構想は挑戦的かつ刺激的な未来の設計図だ.具体的な展望を示した解説を加え新装版として刊行. ■編集部からのメッセージ グーグルによる書籍デジタル化がおおいに問題になったことは記憶に新しい.便利さを追究する反面,著作者や出版社などの知的財産権が侵害されることになれば大きな問題だ. 図書館も蔵書を拡充して利用者が便利になるのはよいが,その分,一般書店での購入が減って,結果的に著者や出版社の利益が損なわれるのはどうかといった議論が昔からある. そして,冊子体の書籍はなくならないとはいえ,すでに制作段階から電子化されている書籍が,さらにその情報をデジタル化して提供しようという流れは当