日本古来の染物技術を守る伝統工芸優秀技能者・藤本義和さん(81歳) 「丁稚時代は逃げ出すほど辛かった」挫折から積み重ねた60年の職人人生 布地に華やかな彩りを加える染物。今では、機械で簡単かつ大量に染められるよ うになりました。しかし、昔ながらの手仕事が生む逸品には、決して量産できない特別な美しさや風合いがあるものです。そんな、伝統的な染物技術である「型染め」と「木版染め」を極めているのが、藤本義和(ふじもと・よしかず)さん。80歳を過ぎてなお、現役であり続ける伝統工芸優秀技能者です。 60年にわたり、ひたすら技を磨き続けた職人人生。修業時代は辛くて逃げだしたこともあるといいますが、そこから這い上がり、いつしか生涯現役を志すほどに染物の世界に魅せられていきます。そんな藤本さんの、「はたらくヨロコビ」に迫りました。 染物職人は「デザイナー×色使いのスペシャリスト」 お話を伺う前に、藤本さんの