「夢」が「地獄」に変わらないために こうして改めて振り返ってみると、呆れる程にダメダメな素人経営。潰れるのには、当然の理由があったわけだ。 こんな状態で4年半も持ちこたえたのは、私に作家という本業があり、本業の収入で赤字を補填することができていたからに他ならない。そうでなければ、おそらく1年も持たずにパンクしていただろう。 実際、うちの店のマスターをしてくれていた方が、数年後に近くでご自分の店を出したが、1年持たずに閉店してしまった。 結局、5年間の店舗の賃貸契約が切れるタイミングで閉店を決断したが、私がこの店につぎ込んだ資金は、開店時の初期投資と4年半の赤字の穴埋め分を合わせて、総額2000万円は下らない。もしも銀行から借り入れでもしていたら、本当に地獄を見ていたはずだ。 経営的には大失敗に終わった「八ヶ岳わんこ物語」。それでも私にとって、決して悪い思い出ではない。「人にもわんこにも優し