東日本大震災の犠牲者で身元が判明したものの、頭部が未発見のため死者に計上されていない人が百七十一人に上ることが、警察庁や岩手、宮城、福島三県警への取材で分かった。警察庁が震災発生当時、頭部がある遺体のみを死者数として取り扱うとしていたことが要因だ。行方不明者から除外するかどうかの判断も三県警で分かれており、統計と実態にずれが生じている。 三県警によると、頭部がなく腕や脚などの部分骨のDNA鑑定により、身元が判明したのは五月十日現在、岩手八十二人、宮城七十四人、福島十五人。遺骨は家族に引き渡されているが、三県警は「親指だけ見つかっても、亡くなっているとは限らない」などの理由で統計上、死者には計上していない。