「東京カレンダー」という雑誌で連載を持っていたとき、Tさんというカメラマンとコンビを組んでいました。Tさんはとても発想が面白い人で、とにかく印象的な写真を撮る人でした。コーナータイトルは「ART OF CAR」。被写体となる車をカメラマンの感性を活かし、美しく撮る。Tさんは納得のいく写真を撮るためにはリスクを恐れない人だったので、おかげで車が燃えそうになったり、海に沈みそうになったり…。思い出してみると、今生きていることに感謝できます。いい思い出です。 ある日、風の噂でTさんの近況を知りました。 なんと、栃木県で400年続く、米農家を継がれていたのです。ご実家が農家だったのは知っていましたが、まさかこんなに早く決断されるとは…。驚きと懐かしさを噛み締めながら、じっくりとホームページを拝見すると、さすがは元(まだ本業?)カメラマンだな、と。そこにはメッセージ性のある、表現力が豊かな写真が並ん