2016年9月10日のブックマーク (2件)

  • 天台本覚思想 | 超越と実存 私流仏教史 日本編 | Webでも考える人 | 新潮社

    空海が理論化した「即身成仏」のアイデアは、『古事記』に内在するアニミズム的な「ありのまま」肯定の思想的傾向と親和的である。 つまり、現にいま生きている人間が「そのまま」成仏できるのだという主張は、成仏する方法の工夫によっては、「ありのまま」で仏である、という思想にまで発展する余地がある。 それはいわば、密教の持つ超越的な形而上学理論が、地縁血縁共同体における現状肯定を墨守する思想・心情的基盤に溶解して、「ありのまま」が「真理」として、超越的理念に変貌して立ち上がるということであり、このいわば「ありのまま」主義の形而上学こそ、「天台覚思想」である。 「覚」と空海 「覚」とは、来の悟りという意味であり、我々衆生は、来すでに悟っているのだと考えるのだ。 最初にこの概念を論じたのは『大乗起信論』という論書で、著者はインド僧ということになっているが、古くから中国での撰述が疑われている

    天台本覚思想 | 超越と実存 私流仏教史 日本編 | Webでも考える人 | 新潮社
    wakabaroom
    wakabaroom 2016/09/10
    "ここまで修行をショートカットしてしまえば、結局のところ、「そのまま」「ありのまま」が「真理」として超越化して、『古事記』に見られるアニミズム的現状肯定思想が、「日本」の形而上学に変貌するのである。"
  • 注目の人 - 恐山あれこれ日記

    現天皇が即位した年、私は5年目の修行僧でした。某テレビ局が前年末に「時節柄正月番組に賑やかなものはマズいから、永平寺のお坊さん撮らせて下さいよ」と、安直な依頼をしてきたことを覚えています。その正月の7日に昭和天皇は亡くなり、直ちに現天皇が即位したのです。 私はこの人物の折々の発言にずっと注目してきました。 最初に驚いたのは、即位直後に「憲法を守り」と言明したことです。 たしか中学か高校で憲法全文を初めて読んだとき、まず疑問に思ったのは天皇の「象徴」としての地位が「国民の総意に基づく」として、その総意をどうやって確かめるのか、ということでした。 明治憲法は天皇が天皇である根拠を「万世一系」に求めている以上、民意なぞ無関係だが、「国民の総意」となればそうもいくまい。しかし、現憲法には「総意」を確かめる規定は何もない。これは問題ではないのか。ある意味、危うくないか。 問題を解消するには、現憲法が

    注目の人 - 恐山あれこれ日記
    wakabaroom
    wakabaroom 2016/09/10
    "本来我々主権者が問うべき決定的問いを、「基本的人権」をお話にならないほど制約され、政治的発言もできない立場の人物によって発せられたことに、私は忸怩たる思いと負い目、そしてある種の恥ずかしさを"