そのことばを聞いたのは、東欧のルーマニアでした。ちょうど30年前の1989年12月、チャウシェスク大統領による独裁政権を倒し、民主化に動き出したこの国が、いま危機的な状況に陥っているといいます。何が起きているのか。現地を取材しました。 (ウィーン支局 禰津博人) 首都ブカレストから北へ約400キロにある、ボティザ村。到着してまず気付いたのは、高齢者と子どもの姿しか見かけないということでした。かつては石炭産業や林業が盛んだったというこの村、12年前、炭鉱が閉鎖されてから次第にさびれ、多くの働き盛りの若者たちが西側のヨーロッパ諸国で働くため、次々と村を出て行ったといいます。 古い家が建ち並ぶ中、ところどころに新築の家が建っているのが目をひきました。地元の人に聞くと、海外に働きに出た人たちによって建てられた「出稼ぎ御殿」だといいます。村の経済は、こうした外からの収入にかなり依存していることがわか
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