(この記事について)どんな子どもも安心して通える、「不登校ゼロ」の学校づくりを目指す大阪市立大空小学校。そんな小学校の日常を追ったドキュメンタリー映画が『みんなの学校』だ。子どもを主語にする教育の現場で、果たしてアートはどんな役割を果たせるのか。大空小学校元校長の木村泰子(きむら・やすこ)さんと、東京都現代美術館の学芸員で子どもを対象としたアート・プログラムを多く手がける郷泰典(ごう・やすのり)さんが、それぞれの立場から教育とアートを考える。 郷泰典(以下、郷):僕は東京都現代美術館で、人々とアートを結びつける橋渡し的な役割を担う「教育普及」を担当しています。現代美術のいいところは、作家がまだ生きているところ。そこで、アーティストと学校に出かけて子どもたちに授業を行い、作家の表現や考え方に触れてもらうプログラムなども展開しています。 木村泰子(以下、木村):郷さんは「アート」をどう解釈され