オブジェクト指向プログラミングでは、具体的には以下の方法で委譲を実現します。 委譲を行うオブジェクトは、委譲先のオブジェクトへの参照を持つ メッセージの応答を、参照を通じて委譲先のオブジェクトに委ねる このような手法を用いることによって、他のさまざまなオブジェクトから必要な機能をピックアップして再利用しつつ、独自の機能を持つ、新たなオブジェクトを作り出すことが可能になります。 継承との使い分け 再利用の手法・仕組みとしては、もう1つ、前々回に解説した「継承」がありました。継承と委譲の違いとは、一体どのようなものでしょうか。 復習すると、継承とは、既存のクラスの構造をベースに新しいクラスを定義する、クラス(つまりメッセージ/メソッド/属性全てをひっくるめた構造)を再利用する仕組みでした。これは、前回解説したような多態性を生みだすエンジンにもなっており、非常に強力な仕組みです。 しかし、強力で