2006年12月27日22:20 カテゴリ本 宇宙のランドスケープ 先週Smolinの本を読んで、宇宙論に興味をもったので調べてみたら、ちょうど主流派のリーダーの訳本が今週、発売された。もちろん結論はSmolinとは正反対で、物理学の理論としてどっちが正しいのかは私にはわからないが、話としてはこっちのほうがはるかに奇想天外でおもしろい。 ポイントは、Smolinの批判する人間原理(anthropic principle)を「物理学のパラダイム転換」と開き直って宇宙論の中心にすえたことだ。ひも理論の中身はわからなくても、人間原理はだれでもわかる。要は、この宇宙が今のような素粒子でできているのは、そうでなければ宇宙を観察する人間が存在しえないからだ。これは絶対に正しい。なぜなら同語反復だからである。 もちろん物理学の人間原理は、もっと洗練されている。たとえば宇宙定数(λ)とよばれる真空エネルギ
![宇宙のランドスケープ : 池田信夫 blog](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da78a05937633f7a2b4b2219826151c370cd607b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fparts.blog.livedoor.jp%2Fimg%2Fusr%2Fcmn%2Fogp_image%2Flivedoor.png)