2010年6月27日のブックマーク (3件)

  • 傘をひらいて、空を

    年に二回、わたしがいる意味がほぼない会議に出る。わたしには何の役割もなく、しかし一応は出るのである。直属の上司と一緒に出るのだが、上司にだって発言の機会はほぼない。別の人たちが準備してきた書面を読み上げ、皆で承認する。しかし実際には先に各自が別の会議で承認しており、その内容に変更はないのである。 どの会社にもこういう会議ってあるんだろうなと思う。万が一何らかの変更があって、それを公式に止める機会がないと大変だから、わたしくらいの職位の人間までまとめて呼ばれるのだろう。 でもたぶんそんなことは起きない。起きたら対処するが、その準備として必要なのは片耳と脳の片隅のみである。ヒマだ。また長いんだこの会議。そして手元にあるもは資料を表示するための会議専用のタブレットのみ。付属の資料を読み込もうとすると、議題が終わるたびに議事次第に切り替えられ、担当者の読み上げのあいだ、対象となる資料以外は表示する

    傘をひらいて、空を
    waniza
    waniza 2010/06/27
  • おれに関する噂 - 傘をひらいて、空を

    彼は見て見て、と言い、一枚のプリントアウトを差しだした。私はそれを熟読して、すごいねえと言った。人の奥さんに手を出すなんて、意外ともてるんだねえ。あと悪いことしてお金いっぱいもらってるみたいだから今日おごって。 彼はふふふと笑ってその紙を元通りに折りたたみ、フォルダにはさんでから鞄に仕舞った。いやあ、先輩から聞いてはいたんだ、この仕事をしていると十人に一人は匿名で悪口を書きたてられるって、あ、ここに書いてあることはみんな嘘だよ、言っておくけど。 彼はそう言い、そうかあと私は言った。少し残念だった。せっかくの怪文書だ、少しは真実が含まれていてほしい。 一緒にいた彼の彼女は長いため息をつき、この人はどうしてこんなにうれしそうなのかしら、と言った。彼女は私に訊いているふりをして、ほんとうは彼に訊いている。私はそういう触媒みたいな役回りが嫌いではない。 私は少し考えてこたえる。人はその内容の善し悪

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  • 食の安全と環境−「気分のエコ」にはだまされない - NATROMのブログ

    の安全と環境−「気分のエコ」にはだまされない(シリーズ 地球と人間の環境を考える11) 松永和紀の新刊。ちなみに、和紀は、「かずのり」ではなく、「わき」と読む。書のサブタイトルは『「気分のエコ」にはだまされない』。「気分のエコ」については、具体例を出すのがいいだろう。地産地消、つまり地域で取れた品をその地域で消費することは「エコ」であると、一般的には考えれられている。確かに、遠くの外国から輸入するのと比較して、地産地消では品を輸送するための燃料は少なくて済みそうだ。しかし、以下に引用する事例は、まったく「エコ」にはなっていない。 たとえば、ある中国地方の団体が、地産地消活動の一環として、地元産のコメをレトルトパックのご飯にして売ることにした。だが、ご飯のレトルトパックは地元産業では作れないため、関東地方の企業にわざわざ地元のコメを持ってゆき加工したそうだ。「地産地消」の名目で、コ

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