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  • iPS細胞は実用化されている、という話。薬作り職人のブログ

    のバイオ技術の最先端技術である「ヒトiPS細胞」。このiPS細胞、薬作りにも、いよいよ登場しつつあります。iPS細胞自体を薬とするのはまだまだ無理ですが、PS細胞を用いた評価法は、新薬開発の現場で一足先に実用化されています。 iPS細胞は、体のあらゆる臓器の細胞に変化(分化)する能力をもつ細胞です。ヒトの体細胞(例えば皮膚の細胞)に、「特定の遺伝子導入や化学物質による処理」を加えることで作成することができます。 iPS細胞は、もととなる体細胞を取り出したヒトの遺伝情報をそのままもっています。そのため、iPS細胞からつくりだした様々な臓器の細胞は、元のヒトにもどしても、理論的には拒絶反応を起こしません。 そのため、「iPS細胞を使って臓器(の一部)を再生し、臓器移植などの治療に使えるのではないか」という「再生医療」の考えのもと、世界各地でiPS細胞関連の研究が行われています。 しかし、現

  • かゆみを伝える神経細胞が見つかった。薬作り職人のブログ

    かゆみを伝える神経細胞が見つかった、という論文が発表されました。 http://www.sciencemag.jp/highlight/index.jsp?pno=171#tx_0 これまでは、かゆみを伝える神経というのがあるのかないのか、はっきりしない状況が続いていました。痛みを伝える神経がかゆみも伝えるのではないか、と考えられていた時期もありましたが、今回の論文ではかゆみだけを伝える神経があることをネズミ(マウス)を使った実験で証明しています。 このかゆみを伝える神経細胞は、細胞表面にGRPR(gastrin releasing peptide receptor)というタンパク質をもっています。GRPRは、GRP(gastrin releasing peptide)というタンパク質と結合することで神経細胞を活性化させます。このGRPRをある方法を使ってなくしてしまうと、マウスはかゆみを

  • 寒い国から来たクスリ~Dimebolin~薬作り職人のブログ

    Dimebolinという薬があります。Dimebolinは、アルツハイマー病の治療薬として臨床試験が行われている薬で、現在PhaseIIIという最終段階の試験が行われています。これまでの結果では、アルツハイマー病の初期から中程度の患者さんに対して、症状を改善する効果が認められているようです。 現在用いられている新薬は、基的にアメリカかヨーロッパか日生まれの薬がほとんどなのですが、このDimebolinは、ロシア(旧ソビエト)生まれの薬です。私もこの業界に長くいますが、ロシアの薬というのは聞いた覚えがありません。冷戦時代、アメリカと科学技術を競い合った国ですから、画期的な新薬を作り出していても良さそうなものなのですが、意外と薬の歴史の中ではロシアの名前は出てこない印象があります(「鉄のカーテン」のなか、日の目を見ずに埋もれてしまったのかもしれませんが)。 Dimebolinは、もともとは

  • まつげを伸ばす薬「LATISSE」。薬作り職人のブログ

    まつげを伸ばす薬、というのがあります。昨年末にアメリカで承認された「LATISSE」という薬です。 「LATISSE」の主成分であるbimatoprostという化合物は、緑内障という目の病気の治療薬として用いられてきました。 緑内障は、目の中にある水(房水)の流れが悪くなり、目の中の房水による圧力(眼圧)が高くなって、目から脳に信号を送る視神経が傷害を受け、最悪の場合には失明に至る病気です。bimatoprostは、眼圧をコントロールする働きを持つプロスタグランジン受容体というタンパク質を活性化させて眼圧を下げ、緑内障の進行を抑える働きがあります。 さて、bimatoprostは目薬として使用されていたのですが、この薬を使った人のまつげが長くなる、という変わった副作用が数多く報告されました。 これを知ったbimatoprostの販売元のAllergan社という会社は、まつげを伸ばし濃くする

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