2. 背景 二酸化炭素などの温室効果ガスの増加による気候変化の予測とその影響評価・対策は、IPCCにおける主要テーマですが、日本を含むアジアの気候変化予測で最も重要かつ緊急な課題は、アジアモンスーンとその降水量がどう変化するかという問題でした。 しかしながら、アジアモンスーン変動に関与する大気・海洋・陸面間のフィードバック過程に未解明の部分が多いことから、アジアモンスーンによる降水量の予測に関しては、確たる科学的根拠のある結果が得られているとはいえない状況でした。 特に、モンスーン活動を規定する重要な要因の一つである陸面について、これまでは人間活動による土地利用状況・陸面状態の変化がアジアモンスーンに及ぼした(あるいは及ぼしうる)影響は、限られた地域でかつ限られた要素についての研究が行われていることが多く、実際の歴史的な地表面変化を特徴的に捉えた研究はほとんどされていませんでした。 そこで