ブックマーク / aspara.asahi.com (9)

  • アピタル_感染症は国境を越えて/高山義浩_インド発の薬剤耐性遺伝子は怖いのか?

    きっかけは、8月11日、ランセット(医学誌としては最高レベルの権威ある雑誌)に掲載された論文です。国際的な研究チームが、インド、パキスタン、イギリスの患者から分離された大腸菌などを分析したところ、抗生物質のカルバペネムに対する耐性遺伝子NDM1(ニューデリー・メタロベータラクタマーゼ1)をもつ細菌をインド、パキスタンから計143例、さらにイギリスからも37例を見つけたという論文でした。

  • アピタル_こちらアピタルです。_いま、なんとおっしゃいました?

    いま、なんとおっしゃいました?  [10/07/23] アピタル編集部 田之畑仁 えっ? いま、なんとおっしゃいました? 私は自分の耳を疑いました。でも、取材相手である目の前の医師は「そんな質問にはもう慣れた」と言わんばかりに、冷静に、同じ言葉を繰り返したのです。「ですから……」 7年前、私は「急性骨髄性白血病」を取材していました。女優の夏目雅子さんや、歌手の田美奈子.さんの命を奪ったことでも有名な、あの病気です。 医療取材を始めたばかりだった私は、「白血病」といえば、いわゆる「不治の病」だと思っていました。ところが、取材に応じてくれた医師は「いや、今は治る可能性のある病気なんです」と力強く答えてくれました。 大きな役割を果たしたのが「移植」です。 血液を作る元になる細胞を移植する「造血幹細胞移植」の技術が進み、「もはや白血病は不治の病ではないんですよ」と医師は胸を張りました。「ただ、課

    waniza
    waniza 2010/09/04
  • アピタル_こちらアピタルです。_ホメオパシー療法、信じる前に疑いを:

    ホメオパシー療法、信じる前に疑いを  [10/08/03] 東京社科学医療グループ  長野 剛 「私はホメオパシーを使っています。実際に良さも悪さも実感しています」 そんなお便りを頂きました。7月31日付の朝日新聞土曜別刷り「be」に書いた「問われる真偽 ホメオパシー療法」に対してです。 ホメオパシーとは、欧州生まれの代替医療で、最近、国内でも流行りつつあります。記事は「効かない」ことを示す報告や、効くと信じて使った結果、重大な健康被害を受けた例があるとみられることを報じたものです。 ですが、お便りをくださった方のように「実際に使った。効いた」という意見は、インターネットでもよく見ます。 あえて言います。あなたが自身の経験で「効いた」というのは、客観的な根拠には全くなりません。実は、放っておいても治ったかもしれない。ホメオパシー以外で受けている通常治療のおかげかもしれません。 実際に「効

  • aサロン_科学面にようこそ_飛ぶ・曲げる…勝敗を決めるのは

    飛ぶ・曲げる…勝敗を決めるのは  [10/01/05] -バンクバー五輪 2月開幕-                              東京科学グループ・林義則 今年は、冬季五輪の開催年。アスリートたちが雪や氷の上で競う祭典が2月12日(日時間13日)、カナダのバンクーバーで開幕する。空気を味方につける飛型や踏み切りがカギとなるスキージャンプ。氷やストーンが持つ特性への理解が勝敗を左右するカーリング。選手たちの技には、どんな「科学」が隠されているのか。 ◇空気抵抗最小に、揚力最大に  スキージャンプ 昨年末、スイスであったスキーW杯ジャンプ。伊東大貴(雪印)は、ふわりと空中に飛び出すとスキーをV字にした飛型で距離を伸ばし、3位の成績をおさめた。 「V字スタイル」のさきがけは、1988~89年のW杯で5勝したスウェーデン選手。「抗力(空気抵抗)を最小に、揚力を最大に。空中姿勢は飛距

  • aサロン_科学面にようこそ_「ヒッグス」探せ 米・欧競う

    「ヒッグス」探せ 米・欧競う  [07/09/17] 東京科学グループ・斎藤義浩素粒子の質量の源と考えられている「ヒッグス粒子」探しが、米国の加速器テバトロンで熱を帯びてきた。最新の研究で意外に軽いらしいとわかってきて、見つかる希望が出てきたためだ。間違いなくヒッグスを捕らえられるとされる欧州の加速器の格稼働は来年。あと2年が勝負だ。 ◇質量の謎解き 熱気帯びる 「実験期間はあと2年。ぎりぎりで、ヒッグス粒子の証拠データを積み上げられるかもしれない」 米シカゴ郊外、フェルミ国立加速器研究所にある大型加速器テバトロンの実験に加わる筑波大の金信弘教授は、こう期待をかける。 「標準理論(標準模型)」と呼ばれる現代物理学の教科書的な理論では、すべての基粒子の質量はゼロ。しかし、実際は物質粒子と弱い力の粒子には質量がある。物理学者の多くは、ヒッグス粒子という未発見の粒子がこの質量の謎を解くと考

  • aサロン_科学面にようこそ_細る遺伝病検査

    細る遺伝病検査  [09/05/08] 東京科学グループ・行方史郎 遺伝子の異常で起きる遺伝病は数千種類に上る。80年代以降、原因となる遺伝子が次々突き止められ、より確実な診断が可能になってきた。ところが、研究の一環として無償で実施してきたため、研究費の打ち切りなどで遺伝子の検査が継続しにくい状況になっている。日で見つかった遺伝病さえ海外でないと検査できなくなる可能性も出てきた。 ◇研究費打ち切られ継続中止も 体に必要な化合物の合成や分解に関係する酵素の異常で起きる「ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症」。100万人に2~3人の割合で起きるとされる遺伝病で、日には数十人程度の患者がいるとみられる。「日でこの病気の遺伝子検査をしているのはここだけでしょう」。こう話すのは千葉大医学部の鈴木洋一准教授(公衆衛生学)。年に数件ずつだが、毎年全国から確実に検査依頼が来る。 鈴木さんは94年、世界

  • aサロン_科学面にようこそ_化粧品に動物実験は必要?

    化粧品に動物実験は必要?  [09/04/24] 東京科学グループ・鈴木彩子 「化粧品」の安全性評価に動物実験を利用しないという動きが、欧米を中心に広がっている。欧州連合(EU)では3月、動物実験をした原料の使用・流通を禁じる法令が施行された。日ではいまも一部の化粧品の安全性評価に動物実験が課せられる。国際的基準とのギャップに、波紋が広がる。    代替実験法を研究する品薬品安全センター。紫外線を当て、    太陽光の影響を調べる装置が並ぶ=神奈川県秦野市 ◇日欧で温度差/EU、代替実験へ 「化粧品」は体を洗ったり、肌を保護したり、香りをつけたりする製品の総称だ。メーク用品のほか、せっけん、育毛剤などが含まれる。 EUでは3月11日、改正「化粧品指令」が施行され、製品の安全性の最終評価だけでなく、原料段階の評価でも動物実験を原則的に禁じた。 生殖機能への影響など長期的な毒性試験では、動

  • aサロン_科学面にようこそ_南極の資源維持、焦点

    南極の資源維持、焦点  [09/04/04] 東京科学グループ・中山由美 南極の微生物などの資源を商業活動に使ってもよいか――。米国で6日から始まる南極条約協議国会議(ATCM)で、議論の焦点の一つになりそうだ。今年、南極条約は採択50周年を迎える。条約で領土権の主張を凍結し、鉱物資源の開発を拒み続けてきた南極大陸は、将来もその枠組みを維持できるのだろうか。 ◇条約採択50年、6日から協議国会議 「舌触りの滑らかなアイスクリームを作ったり、品の冷凍焼けを防いだりする不凍たんぱくを、1日に特許出願したばかり」 国立極地研究所の工藤栄准教授と産業技術総合研究所の星野保グループ長は、南極大陸沿岸の土壌で採取した菌類から、凍結を防ぐ不凍たんぱくを見つけた。特許の出願は日の南極観測隊では初めて。「微生物は研究室で増やせる。科学研究が社会に役立つのはよいことだ」と工藤准教授はいう。 南極の生物

  • aサロン_科学面にようこそ_有孔虫が語る「太古の記憶」

    有孔虫が語る「太古の記憶」  [09/04/03] 東京科学グループ・山智之 世界中の海に分布し、奇妙な形の殻をつくって暮らす「有孔虫(ゆう・こう・ちゅう)」。その小さな殻には、地球の「太古の記憶」が刻み込まれている。有孔虫を使って、過去の気候や地殻変動、海洋大循環の実態などを探る研究が進められている。 ◇殻に刻まれた地殻や気候の変動 世界各地の海底を柱状にくりぬいた「コア試料」が、ぎっしりと棚に並ぶ。高知大と海洋研究開発機構が運営する高知コアセンター(高知県南国市)。計15万の試料がある。 そのうちの1を、村山雅史・高知大准教授(地球化学)が手に取った。直径8センチで、長さは1メートル前後。04年に熊野灘沖で採取したものだ。 「灰色の泥しか見えませんね。でも、ふるいにかけると、小さな有孔虫がたくさん出てきますよ」 有孔虫は原生動物だ。原始的な単細胞の生き物で、世界に約5

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