緒方貞子。祖父の犬養毅を515事件で失い、空襲を体験。戦後は外国人の女性教師に学び、その先進的な気風をあびる。留学して満州事変を研究し、政治学者となるが、いったん家庭に入る。 しかし大学講師をおこなっていた時、市民運動家の市川房枝にさそわれて国連の仕事にかかわることとなった。やがて第8代国連難民高等弁務官となり、国連が他国へ介入しないあまり難民を見捨てていた前例を、行動力で打ち破っていく。 緒方貞子の幼少期から国連難民高等弁務官としての仕事を終えるまでを、インタビューと再現ドラマで一時間半かけて描いた。 ただし、緒方以前の国連難民高等弁務官がどのような人物であったかなどは、あまり描かれない。赴任する直前、国連スタッフが緒方に期待していない様子なども描かれていたのだが、それもステロタイプな会話劇にとどまっていた。 あくまで個人として難民に向きあっていた緒方貞子視点の半生記であった。私たちがど