「ぐおお……」 魔界の頂点にして絶対無敵、最強不敗の竜魔神姫(トンデモナイゼ)ヴァルアリスは、一人自室で呻いていた。 三連敗である。 悪夢のごとき三連敗である。泣いても喚いても取り消せぬ事実である。 螺鈿と黄金で編まれた天蓋の装飾も、花瓶に活けられた魔界薔薇の艶やかな紅も、今のヴァルアリスを慰めはしなかった。 起承転結の"転"が必要であると、ヴァルアリスは感じている。 メンチカツ、カレーライス、ラーメンライスと三連敗した今になって起承転結などと言い出すのは遅きに失している感も否めないが、とにかく流れを変えたい的な意味である。 ベッドの上に寝転がり、両足を交互に高く上げて天井を指す。全く意味はないが、意味のないことをしているとその馬鹿馬鹿しさで気が紛れる。そういうものである。 不意にドアがノックされて、ヴァルアリスはベッドから跳ね起き、風の速度で執務机の椅子へと座った。上着に袖を通し、あたか