一時期減っていた中学・高校での柔道事故が、再び増え始めた。二〇一五~一六年に起きた部活動での重大事故は死亡三件、重傷四件。このうち、大外刈りの技をかけられて頭を打った生徒が三人おり、専門家は初心者の指導の際には、大外刈りの受け身の練習を徹底させるよう警鐘を鳴らす。 (細川暁子) 栃木県大田原市の中学一年生の男子生徒(13)は今年八月、柔道部の練習中に三年男子(15)に大外刈りをかけられ、床に背中と頭を打ち付けて一時意識不明の重体になった。生徒は救急搬送され、約十日後に意識を回復。首から下の右半身がまひして病院でリハビリを続け、二カ月後の先月下旬にようやく退院して通学できるようになった。 市教委によると、部員は三十二人おり、男子生徒は柔道を四月に始めたばかりだった。事故当時は柔道三段の男性顧問(30)と柔道二段の男性副顧問(46)が指導。得意技が同じ生徒同士でペアを組ませていた。