年中繰り返し読みしている本がありまして。 島木健作さんの遺作にあたる日記なんですが、これに沢山の本が登場します。 読みかえす理由は、そこに出て来る本を追読しているから。 「島木さんは里見弴が嫌いらしい」という話は前にしましたが、 その文章で引き合いに出された中山義秀も、「厚物咲」という作品も、この本で知り読みました。 今回は、ある日の日記に「岩野 ( 泡鳴 ) の短編をいくつか読んだ」という記載があり、 岩野泡鳴の作品を読んでみようと思い立ちました。 日記に中にはこう書かれています。 「人か熊か」という怪しい標題の作は、樺太の荒涼たる自然のなかにおける原始に近い生活を描いて、作柄は全然ちがふが、有島 ( 武郎 ) の、カイン、と好一對の作をなしている。 じゃ、泡鳴の短編と、有島武郎の「カインの末裔」を読み比べてみよう! とまあ図書館で本を取り寄せて、これから読み始めようと思っているんですが
