狼少年ケンのノリというか何かは今のアニメと全然違って面白いのだが、特にこの5話が傑作だった。 飛行機に乗ったお姫さまとお付きの人と怪しい男。怪しい男はドアを開けてパラシュートで飛び降りる。その直後に飛行機が爆発して墜落。 飛行機は山の上に墜落して、その大きな音に何事かとケンが見に行く。ケンといつも一緒にいる狼の仔のチッチとポッポは不満を言いながらも付いていく。 飛行機を爆発したのは大臣で、「血の流れないクーデター」だというが、いや飛行機落ちているから死人が出ているのではないか。そしてクーデターを起こしたのはクーデターブームに乗り遅れないため。たぶん放送された時代にクーデターが何度かあったのだろう。 ケンがチッチとポッポと一緒に山に登るシーン。途中で迷子になった鷲の子と出会う。鷲の子は山の上まで連れていってくれと言ってケンの頭の上にとまる。(そこそこ飛べる上にただ上に向かうだけだから迷子には
定例部長会議の終盤にビッグモーター社の話題になった。「あれだけとんでもないことをしでかした会社が倒産しないなら、何もしていない我が社は倒産しない」「ゴルフ好きの風上にも置けない」「除草スタッフはきわめて優秀では?」くだらない雑談だった。平和な空気が一変して地獄になったのは、上層部の一人が何を血迷ったのか「創業者の2代目、息子を要職にするからいけないのですよ」と言ったときだ。僕は社長が目を落としていた資料から目線をあげた瞬間を今でも覚えている。その直後に社長が放った「私も創業者の息子、2代目だが?」というひと言で会議室は静まりかえった。しんとして耳が痛いほどでした。口を開いたら死ね。そんな空気。窒息死したほうがマシ。そんな空気。 重苦しい空気の中、ほほ笑みをたたえた社長が口を開いた。「世間では2代目を要職に就けることは好意的に思われていないようだね。キミらはどう思う?」。社長は名指しして聞い
ひたすら日記を書き続けていた小学六年生の私にとって、世界でたったひとりの読者は当時の担任の先生だった。毎日提出する日記に返ってくる一言コメントが、唯一の感想だったのだ。まるでどこかで連載をしているプロになったかのような勘違いを、私は精一杯楽しんでいた。 (朝井リョウ『時をかけるゆとり』文春文庫、2014) こんにちは。先日、研修を兼ねて(?)国会見学に行ってきました。子どもたちを連れての国会見学は、都会教師だったときに何度も経験しましたが、プライベートでの見学は今回が初めてです。衛視さん(昔の呼び方で言うところの守衛さん)の話に耳を傾けつつ、ときに質問をしたりしながら、ゆとりをもって見学できるのは、嬉しい。衆議院の議員食堂に入れたことも、そしてそこでゆとりをもってカツカレーにありつけたことも、 嬉しい。 政治家さんに大人気というカツカレー(2023.8.17) 案内をしてくれた衛視さんが言
本書は、三島が最後の行動に至る軌跡を、その作品に表現された思想に忠実に辿るものだが、では、その死が必然的なものであり、不可避であったかと言えば、必ずしもそうとは思わない。三島自身が政治思想の偶然性を強調している通り、『鏡子の家』に対する文壇の無理解など、本人は深く傷ついているが、今にしてみれば、くだらないと言えなくもない出来事の影響が大きく、彼の最も微妙なその第三期次第では、違った四期を迎えていたであろう。 (平野啓一郎『三島由紀夫論』新潮社、2023) こんばんは。国家が、とか、天皇が、とか、三島が、とか、おそらくそんなことは1ミリも考えずに、旅先の写真とともに「めっちゃ楽しんでいます!」なんてメッセージをくれる職場の若者たちって、 三島由紀夫よりも賢い。 そう思うのですが、どうでしょうか。平野啓一郎さんも《三島には一貫して、知性に対する軽蔑があり、行動家の無知・無学を純粋さの証明のよう
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