角川書店やサブカルチャー系出版社アスキー・メディアワークスなど角川グループ9社を統合して誕生した新会社が10月、新生「KADOKAWA」としてスタートを切った。電子書籍の普及など出版業界を取り巻く環境が激変するなか、同社の角川歴彦(つぐひこ)会長(70)は「出版社を含めたコンテンツ事業者の結束による新たな産業体系が必要だ」と訴える。 今回の組織改編には、グループ各社が持つコンテンツを十分に活用したいという意図がある。「個々の会社が著作権を持った状態では、知的財産を十分活用できない。例えば角川書店が持つ漫画『ケロロ軍曹』で他のグループ企業が新規ビジネスを考えたとしても遠慮して使えず、時代を先取りする提案は出てこない」。小説が映画化され、ゲームになる。メディアミックスをいち早く取り入れ、サブカルチャー市場を牽引(けんいん)してきた第一人者らしい先見性だ。 昨夏、電子書籍の販売に関して米アマゾン